2010年8月25日水曜日

キムタクが必ず成功するドラマを見ると、小泉首相「将来は必ず良くなる」に騙される:新自由主義の正体

概要:子供を学校におしこんでおくと、社会の実態まったく知らないまま変な偏見を持って育つ。さらに社会を知らないでTVを見て育つと異常なほど楽観的な人間になる。学校はみんな避けれないので、かなりの人が異常に楽観的な感覚を持ってると思う。自分の感覚を悲観的な方向に補正しよう。

似たようなことを違う視点で書いてる人がいるので貼っておく

金子勝ブログ AKB48にはついていけない
http://blog.livedoor.jp/kaneko_masaru/archives/1260891.html
 

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宝くじは当たらないことは知っているが、時々買ってしまうことがある。前に買ったのは、確か「天元突破グレンラガン」というロボットアニメを見ていた時だった。

天元突破グレンラガンは、いわゆる正義ヒーローロボットアニメ。ストーリーはどうにも納得できない理屈と精神論で、とにかく「正義」が勝つというもの。しかし理屈が変でも派手な音楽と動画でなんだか納得したような気分になる。正義が勝つというストーリーは確かに気持ちがいいので変だなと思っても見てしまう

私は何故、当たらない宝くじ買って金をどぶに捨てたのだろう。当時を思い出してみると「正義は勝つ」ドラマを見て影響されていた。宝くじはその一部にすぎない。他にも、なんとなく英会話教室にいこうかと思ってしまったり、自己啓発系の本を立ち読みしてみたりとかしていた。

実際、テレビ、映画、動画の影響力はとても大きい。キャプテン翼(サッカー漫画)が流行ってた当時、近所の公園ではいつも小学生がサッカーをやっていた(前は野球だった)。北斗の拳’が流行ってた時は、登下校中の小学生が南斗水鳥拳の真似をしてるのをしょっちゅうみた。

TVドラマのように「努力」をして、それが報われることはあるのだろうか。それは「希望格差社会」という本のアマゾンのレビューをざっと眺めてみるとなんとなく伺い知ることができる。そこに書き込まれた様々な感想や体験談から、努力しても無駄な社会を実感する人がかなりいることを感じる。(こんな本のレビューにわざわざ「投資で成功した」なんて体験談を書き込みにくる人がいるのも興味深い)

こうして報われない努力をしてきた人の多くはうつ病になる。そこでうつ病の歴史について調べてみるとこんな記述をみつけた

気分障害
http://www.medicomps.jp/syosai/9784260005678.html
出版社:医学書院
編 集:上島国利 樋口輝彦 野村総一郎 大野 裕 
神庭重信 尾崎紀夫
ジャンル:精神医学
判 型:B5
発行年:2008年
ISBN:9784260005678
税込価格:16,800円
-----引用開始----
精神医学の歴史を繙くと,気分障害とみなされる病態は,ヒポクラテスの時代から記述があり,古くより知られたものであった。しかし統合失調症ほどその病像は特異ではなく,経過予後も良好であり,比較的理解しやすい疾患として精神医学者の興味関心をひくことが少なかったように思われる。その結果気分障害に関する科学的知見は集積されず,その本態,原因,治療法などに関する知識は不足していた。

 ところが昨今,気分障害の患者の急増が注目されている。この理由として,さまざまな要因が推測されるが,社会状況や価値観の変化など環境的要因も大きく影響していよう。なかでも成果主義の導入など働く人々を取り巻く環境は厳しさを増し,産業精神医学の領域では気分障害への対応は最大の関心事となっている。また20歳代,30歳代の若年層には,従来型うつ病とは異なる心性をもった現代型うつ病が出現するようになった。
-----引用終了----

 どうやら、ある種類のうつ病は最近出現するようになったもので、紀元前の時代には今ほどひどいうつ病はなかったようだ。なんの報酬も得られないまま、投資や努力を続けたら疲れてしまうのは当然だ。ただ、昔は今ほど「努力したらなんとかなる」という幻想が信じられてなかったのだろう。

 ところで、なんの報酬も得られない努力を行っていることに、途中で気がつかないのは何故なのだろうか(怪しい投資話やマンション購入セールスなんかはすぐに「怪しい」と感じることができるのに、違いはなんなのだろう)。これについてはプログラマーの間で有名な本 ハッカーと画家 http://practical-scheme.net/trans/hp-j.html という本の1章に参考になることが書いてある。

関係のある部分だけ要約すると、こんなことだ

昔(中世?)、若者は職人達と一緒に仕事をしながら様々なことを学んだ。がんばって仕事や勉強をすることがそのまま評価された。それと比べて今の学校システムは異常だ。故意に社会から子供を隔離している。結果的にフットボールのできるスポーツマンを頂点とした謎な階層社会ができている。この階層構造は社会に出ればなくなってしまうが、それまで勉強好きな人達はGeekと呼ばれて様々ないじめに耐えないといけない。

同じような内容はWikipediaから(不思議な理由で)削除された「スクールカースト」という項目にも書いてあった(バックアップはyourpediaにある)。


私自身も学生を卒業するまで社会から隔離された不思議な環境に置かれてきた。結果的に怪しい投資話やマンション購入セールスはなんとなく見分けられても、もっと高度な嘘や詐欺は見分けられなかった(新入社員の入社式帰りを狙って絵画などを売りつけるグループがいるみたいですが他の人は体験したことがありますか?私は入社式の後で1時間ぐらい捕まって話しを聞かされました)。

学生時代に見分けられなかった社会全体を包む重大な嘘の1つに「がんばれば認められる」があった。社会経験の足りなかった私は、こんなセリフを信じてしまうことになる。

小泉純一郎「将来は必ず良くなる。今は痛みに耐えろ!」
佐藤ゆかり「国民全てが投資家になる社会を作ります」(そういえば宝くじも投資の1種だね)

この嘘の害悪は、将来の自分を支える大事なものまで攻撃してしまう点だ。「将来自分は必ず成功する」と信じる人は例えば関西生コンストライキのような「下層」にお金が流れるような運動に反対する。累進課税にも反対する。消費税に賛成する。「自分は勝ち組の側に将来必ずつける」と思いこんでいるからだ。しかしその後様々な痛い目にあいながら社会の実態が分かってくる。「キムタクが必ず成功する」ようなドラマは嘘で、世襲やコネが非常に重みのある社会が本当の実態だということがわかってくる。それがわかって初めて累進課税に賛成して消費税に反対するようになる。子供の頃から社会の実態に触れる機会があったなら、もっと早くに気がつくはずなのだが、社会から隔離された期間が長いとなかなか身に付いた偏見を修正できない。前回の参議院選挙でみんなの党に投票した人が思いのほか多いのは、同じような偏見をなかな修正できない人達が沢山いることを物語っている。

この現象を違う視点から解説したとても参考になる記事があるので紹介しよう

金子勝ブログ AKB48にはついていけない
http://blog.livedoor.jp/kaneko_masaru/archives/1260891.html  
http://www.asyura2.com/10/senkyo88/msg/670.html

この記事で紹介されてる「将来必ず成功する」と信じて格安の給料で身を粉にして働くユニクロの社員達は、まさに楽観すぎる人達だ。ストライキでもしたほうがはるかに得だということに気がつくことはあるのだろうか。この記事で言われてることはユニクロ社員に限定されたことではなくて、日本の労働者の多くに当てはまると思う。


少なくとも自分は多くのドラマやアニメを見てきた結果、あらゆることに異常に楽観的になっていることを実感している。鉄砲の弾が主人公だけに当たらないなんてことはない。自分の感覚を常に悲観的な方向に補正をかけないと現実と合わないのだ。宝くじは当たらないし株の投資なんて成功しない。血縁やコネのない自分はストライキがあったら参加する方が得だ。血縁やコネのない人間にどんな水面下の嫌がらせがあるかも知っているし、秘密主義が一番得ということも知っている(オープンソースを批判した記事が以前にあったのはこんな理由もある)。

とにかく結論は

自分の感覚を常に悲観的な方向に補正をかけないと現実と合わない。

ということだ。

もうひとつ言うなら、すべての努力は無駄なんてことは言わない。ただ、今の格差固定社会の壁を突破する方法は巧みに隠されている。そのヒントは自分の親や祖父が知ってる可能性が高い。自分の父や祖父は非常に現実に合ったことを多く教えてくれていた。何故、父や祖父の助言を無視してTVなぞ見て楽観的すぎる選択をしてきたのだろうと今にして思う。私自身も前述のユニクロ社員と同じ部分が多くあった。(ちなみにうちの母親はTVの影響を大きくうけていたので有害だったと思う)



希望もない、努力しても無駄なら、どうやって生きていけばいいのだろう。いろいろな方法があるとは思うけど、私としては奴隷としておとなしく生きるぐらいなら抵抗をする方法を提案したい(ここから先は私の個人的な意見で分析でもなんでもない)。



犯罪者への罰則を強化する政策には絶対に賛成しない:
血縁やコネのないほとんどの労働者は、いずれ犯罪に走る可能性が高い。私自身もそうなる可能性が高いと思う。今までの楽観的な感覚を捨てて、悲観的に数日すごしてみるとその感覚がわかると思う。このままじゃいつか犯罪を起こしそうと感じる。格差を固定するために導入された様々な規制は巧妙で、奴隷労働から抜け出すにはそういった規制や決まりを無視することになる。つまり犯罪者にならないと奴隷労働から抜けれない。加藤智大や畠山鈴鹿は他人事ではない。そういった人達に厳罰を与えるような動きに反対することは、自分の未来を守ることにもつながる。


児童ポルノ法など新しい犯罪者基準作りに絶対反対運動する:
自分が犯罪者として捕まりそうなあらゆる可能性に反対するべき。「なんとかの取り締まり強化」といった政策にはすべて反対するのが無難。理由は犯罪者への罰則を強化に反対するのと同じ


「テロ対策」という言葉に騙されない:
テロという名目で労働者対策の反乱を防ぐ仕組みが作られている。よく注意してみてみよう。


ストライキ、デモなどの「騒ぎ」には積極的に参加する:
媚を売る事は何の特にもならない。利益が労働者に分配されることはない。騒がないと利益はまわってこない。

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